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バセドウ病と橋本病

バセドウ病と橋本病は、ちょうど逆の症状が現れますが、どちらも甲状腺の自己免疫疾患です☆

バセドウ病と橋本病は、いずれも『自己免疫疾患』

バセドウ病と橋本病はちょうど逆の症状が現れますが、どちらも甲状腺の自己免疫疾患です☆
また、圧倒的に男性より女性に多い疾患ですね。

甲状腺ってどこにあるの?

☆甲状腺の部位☆

甲状腺は首ののどぼとけ付近前側にあり、チョウチョのような形をしています。
とても小さい器官の一つですが、でも働きはとっても重要!

食物(おもに海藻)に含まれているヨウ素を材料にして、甲状腺ホルモンを作る機能をもっています。

☆甲状腺の働き☆

その甲状腺ホルモンは、新陳代謝の過程を刺激し促進する作用があります。

また、その甲状腺は脳のホルモンの中枢である脳下垂体から司令を受けて、ちょうど良い量のホルモンを作るように調節されています。

☆バセドウ病って?☆

その調節がうまくいかなくて、甲状腺ホルモンが出すぎる状態の病気が、【 甲状腺機能亢進症 】・・・その代表的な疾患はバセドウ病(バセドー病)

症状としては、喉のところが腫れてきたり、眼球が突出してきたり、新陳代謝が激しくなりすぎるので、動悸・多汗・暑がり・手の震え・体重減少などに。

☆橋本病って?☆

逆に、甲状腺ホルモンが出足りなくて不足する状態の疾患が、【 甲状腺機能低下症 】・・・その代表的な疾患は橋本病

その症状は新陳代謝が下がった状態なので、むくみや皮膚のカサカサ・寒がり・体重が増える・脈が遅くなる。

また、無気力で元気が出なくなり、ウツと間違えられて、精神神経科の受診をすすめられるれることもあるようです。

☆その検査は?☆

ただ、普通の健康診断の血液検査では、甲状腺の検査は出てきません。

ちょっと特殊な検査項目になるので、甲状腺機能を疑って調べてもらわないと、気が付かれないことも多々あります。

怪しいとき、まずは下記の3項目の甲状腺機能検査を調べれば、その時の甲状腺の状態がわかります。

甲状腺疾患の代表的な検査

普通の血液検査では調べられませんが、下記の検査をすると、甲状腺の今の状態がわかります。
☆なお、基準値は医療機関や検査方法によって多少前後します。

《 FT3 》遊離トリヨードサイロニン 基準値 2.2~4.1 pg/ml

甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンです。細胞の新陳代謝を盛んにし、新生児や子供の発達・成長にも不可欠なホルモンです。
ヨウ素を3個持っているものがFT3です。この数字は、バセドウ病では上がり、橋本病では下がります。

《 FT4 》 遊離サイロキシン  基準値 0.8~1.9 ng/dl

甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンです。細胞の新陳代謝を盛んにし、新生児や子供の発達・成長にも不可欠なホルモンです。
ヨウ素を4個持っているものがFT4、この数字もバセドウ病では上がり、橋本病では下がります。

《 TSH 》 甲状腺刺激ホルモン  基準値 0.2~4.5 (μIU/mL )

甲状腺ホルモンの分泌を促すホルモンで、脳下垂体から分泌されます。バセドー病ではこの数値は下がり、橋本病では上がります。
(調節を司令するホルモンなので、甲状腺ホルモンの数値とは逆の動きをします。)

☆なお、検査値の基準値は検査機関によって多少前後することがあります。

では甲状腺疾患の原因は?☆

バセドー病も橋本病も、おおもとの原因は自己免疫疾患です

では、どうしてバセドウ病や橋本病が起きるのでしょうか?
またどうして、女性の方がかかりやすいの?

実は、上記の甲状腺疾患は、おおもとの原因は 【 自己免疫疾患 】
つまり、免疫のバランスが崩れて、本来なら攻撃しなくていい自分の臓器や器官を攻撃して痛めてしまう・・・・。

代表的な自己免疫疾患には、他にリウマチなどがあります。
リウマチは、自分で自分の関節を攻撃してしまって痛くなる疾患。
免疫異常の疾患は総じて、女性の方がかかりやすいですね。

妊娠 (つまりお腹の中で『赤ちゃん』という非自己を育てる)という仕組みがあるのと、なにか関係性があるのかな?
で、バセドウ病も橋本病も正反対の現象が起きるけれど、おおもとの原因が自己免疫疾患ということでは同じなんです。

バセドウ病の場合は?

バセドウ病の方は、先ほどのTSHのレセプターに対する抗体ができて、甲状腺ホルモンをこれ以上出さなくていいという命令が伝わらず、甲状腺ホルモンがずっと出すぎてしまう状態。

橋本病の場合は?

橋本病の方は、甲状腺ホルモンを作る原料になる蛋白サイログロブリン(Tg)や、甲状腺ホルモンを作る手伝いをする酵素ペルオキシターゼ(TPO)を邪魔する抗体ができて、ホルモンが作られない状態になってしまう・・・。

なので、本当に治すには?

なので、本当に治すにはこれらの邪魔する抗体がなくならないと、甲状腺疾患は本当には治りません。
ただ、現在の西洋医学ではこれらの『抗体を直接減らせる治療』は、今の所ありません。

そのため、バセドウ病の場合は出過ぎたホルモンを薬で抑え、(メルカゾール錠やチアマゾール錠)、橋本病の場合は、足りない甲状腺ホルモンをとりあえず外から補充する。(チラージン錠)

そして、根本原因の抗体の方は自然になくなるのを待っている・・・、という治療法になります。

そして、それでもなかなかよくならない場合、バセドウ病では手術で甲状腺の一部を切除したり、アイソトープ治療といって、放射線で甲状腺の一部を働かなくする・・・。でもその後は、逆に甲状腺機能低下症になってしまう場合も少なくありません。

本当は崩れている免疫のバランスを整えることができれば、根本から治せるんですけどね。(*^^*)

甲状腺疾患の代表的な抗体価の検査

甲状腺の抗体価の検査は何種類かありますが、代表的なものを下記に上げてみます。

《 TRAb 》 抗TSHレセプター抗体 基準値 2.0未満 (IU/L) (第3世代ECLIAの場合)

甲状腺を刺激する自己抗体で、バセドウ病では90%以上が陽性を示します。

《 TSAb 》 甲状腺刺激抗体    基準値 120以下(%)

TRAbと同じく、甲状腺を刺激する自己抗体で、バセドウ病では陽性を示す確率が高いです。

《 TgAb 》 抗サイログロブリン抗体  基準値  40以下 (IU/mL)

甲状腺でつくられるサイログロブリン蛋白質に対する自己抗体。
橋本病で陽性となることが多く、バセドウ病でも陽性となることがあります。

《 TPOAb 》 抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体  基準値 28以下 (IU/mL)

甲状腺ペルオキシダーゼという酵素に対する自己抗体。
橋本病で陽性となることが多く、バセドウ病でも陽性となることがあります。

☆なお、検査値の基準値は検査機関によって多少前後することがあります。

《薬剤師☆智》自分の甲状腺機能亢進症体験談

《薬剤師☆智》
《薬剤師☆智》

私自身、43歳の頃に甲状腺機能亢進症つまりバセドー病を発症しました。

ダイエットしてないのにやせてくるし、じっとしてても脈が100回/分以上あるし、私の母も以前同じ病気をしているので、これは怪しいと思って甲状腺の検査してもらったら、ピンポン当たり~でした。

そこで、医師に言われる通り、メルカゾールを最初は1日6錠飲みながら、自己免疫疾患なのはわかっていたので、免疫を整えてくれる漢方サプリメントを寝る前に並行して飲みました。

毎月検査をしながら、順調に検査数値は改善されてメルカゾールの内服薬も減り、半年間ですべての数値が正常値になったので、薬は中止に。
その後検査をしても、大丈夫になりました。(^.^)v

普通は早くても2~3年間はお薬を飲むのが普通なようですし、それでも改善されなくて、手術やアイソトープ治療を進められる場合も少なくないようです。

改善されなくてお困りの方はぜひ一度ご相談くださいね。(*^^*)